column

日下部誠 総料理長の食紀行 #02

いつも幸せ。みんなで幸せ。そんな料理の秘密をお届けします。

お客様に幸せな気持ちになっていただくために、”今”最高の食材で料理をおつくりする。
食材のクオリティが料理の根底を支えると知る日下部 誠料理長だからこそ、料理に使う食材ひとつひとつに心を配ります。
総料理長が自ら生産地に足を運び、そこで育つ食材の声に耳を傾け、生産者と語らうことで出会う最高の食材。
わたくしたちは、今、福岡の地で出来る本物のおいしさをお届けして参ります。

濃厚なのに、後味さっぱり 卵料理のおいしさの秘密

 日下部総料理長が、たくさんの候補の中から理想の卵として選び抜いた、糸島市・緑の農園の「つまんでご卵」。このおいしい卵を使用した「ル・ブション特製つまんでご卵パスタ」と、つまんでご卵の生みの親、〝万歩鶏〟100%を使用し、これまた贅沢につまんでご卵をトッピングした「万歩鶏ハンバーグ」は断トツの人気メニューです。

 このおいしい卵が、どんな環境で育まれているのかお伝えしたくて、日下部総料理長の案内で緑の農園へお伺いしました。場所は糸島・二見ヶ浦からすぐ。緑が豊かな小高い丘の中腹にあります。さっそく鶏舎へ案内してくれる代表の早瀬憲太郎さん。しかしその入口は、ここに本当に鶏がいるの?と首をかしげるほど静かです。

 「うちの鶏はリラックスして、心地よく過ごしていますからね。鳴いて何かを訴える必要がないんですよ」。早瀬さんが鶏舎のドアを開けると、鶏たちがうれしそうにコッコッコッ・・・と声をもらします。早瀬さんの姿を見て、遊ぼうとばかりに追いかけてくる鶏も。ゆったりとしゃがみこんでひなたぼっこをしている鶏もいます。「私もいろんな鶏舎を見学しますが、ここほど鶏が幸せそうなのは初めてですね」。と日下部総料理長も目を細めています。

鶏舎周辺は緑あふれる環境。ゆるやかな風が吹き、空気は美しく澄んでいました。
「私の飼育方法と糸島の自然環境が重なり『つまんでご卵』が完成した」と早瀬さん。

必要なのは心地いい環境 幸せに過ごす鶏がいます

 ケージに入れず、平飼いで自然の風が通る鶏舎は、健康な卵のために欠かせない条件。糸島半島の心地いい自然環境も、鶏たちにとって快適なはず。また、緑の農園では一坪あたりで飼育する鶏の数を大幅に減らし、鶏たちを自由に歩かせています。これにより、鶏のストレスが解消され、さらに土へ落ちる鶏糞も少量に抑えられます。

 土は無理なく鶏糞を分解でき、いつも清潔を保ち、いやな臭いも発生しません。「悪臭や騒音、汚水も全くないから、鶏と人間の両方にとって快適です」と早瀬さん。「でも同じ鶏舎を建てても、他の土地ではうまくいかない。糸島の環境のおかげで、自然と上手に循環しているのかな」と続けます。

日下部総料理長は、鶏たちのトサカに注目していました。鶏の元気はトサカの色に出るそうです。「しっかり赤くてツヤがある。こんなに健康そうな鶏には、なかなか出会えません」。また、大の鶏好きの早瀬さんは、卵を産む鶏たちへの視線がとても優しい。我が子を見るように温かいのです。「鶏の居心地の良い環境を与えてあげたい」。その気持ちが、おいしい「つまんでご卵」を育てているとも言えるでしょう。この早瀬さんの愛情たっぷりのおいしさを確かめるのは、天神スカイホール、レストラン ル・ブションで。安心安全なのはもちろんのこと、お客様に幸せになっていただける料理をご用意してお待ちしています。

蕎麦屋からもらった蕎麦がらをリサイクル。自然の素材で卵をやさしく包みます。
陽の当たる特等席でしゃがみこんで日向ぼっこ。養鶏所ではめずらしい姿です。
卵は鶏舎のすぐ近くにある作業場へ。卵詰めはすべてスタッフさんによる手作業。

志摩の自然卵 つまんでご卵
有限会社 緑の農園
糸島市志摩桜井4767
TEL092-327-2540